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02/03/2005

調査と営業

当研究所の場合、調査といっても調査を開始するまでのスポンサーへの働きかけ、企画案などの作成・提出という部分に加え、調査自体が、営業的性格を持つ場合が多いと思います。

ふつう、総合シンクタンクが受注する案件では、いったん契約が結ばれるとそれに沿った仕事を行って報告書を提出しておしまい、というパターンになります。契約上も契約期間中に何回かドラフトを提出したり中間報告会を開いたりといった規定がある程度と思われます。

しかし、実際には、契約を結んでからも契約内容が実質的に変質することがあります。ASEAN事務局案件やアジア開銀案件では、形式上のスポンサー以外に、海外の当局関係者(財務省、中央銀行)、海外のシンクタンク、海外のコンサルタント、形式的には直接関係ないにしても日本の当局(財務省が基本ですが、アジア開銀の案件では日本銀行も登場)等々。これら複数関係者の意見、ノウハウ、それに何か方向性を変える必要性があるとして(方向性を変える必要性は、スポンサー側から持ち出されることもあれば、当研究所から持ち出すこともあります)どのような手順で誰の了解をもらっていくか、という作業が必要になります。

調査といっても調査報告書の原稿に情報を落とすのは最終段階です。むろんこのあたりの作業になれていない場合は、なかなか原稿に活字を落とせなくて心配になるケースもあると思います。しかし、そこに至る、関係者を動員し、その結果として情報を集める過程が大変重要であること、調査の命は営業ではないかと最近は考えています。調査=営業説と言ったら世のシンクタンク関係者は驚くでしょうか。

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Comments

今日は比較的余裕あります、といっても相対的なものですが。あれ、全員に写しが落ちていますね。

> 「調査と営業」の内容には得
> 心する点が多々ありました。契約内容が思わぬ方向に変わっていってしますの
> は経験
> 中でもありますが、仕事を請ける側に、議論をリードしていく主体性と、先方
> の要望
> にあわせていく柔軟性がないと、振り回されっ放しということになりかねませ
> んよ
> ね。最終的には、金は払ってくれそうだが、同時に変化していくであろう顧客
> の要望
> に、どれだけ主体性と柔軟性を持ちつつ対応していくか、が課題になるのでし
> ょう。

ここは割り切りの問題でしょうが、当研究所のような場合、総合病院ではなくて開業医の様なものですから、顧客側にたってやるほかない、逆に、そこで顧客の信頼を得るということでしょうか。今回のアジア開銀の案件でもそれを強く感じます。また、海外の当局関係者も当事者で入ってくると、これはベトナムに限らず、昨年のタイの債券市場案件も、タイ財務省の関係者の満足度というのがかぎでした。

主体性と柔軟性というのは重要な視点ですね。私は多少反省ですが、やや柔軟性に傾く嫌いがあって、主体性はやや二の次になりがちですが、常に、主体性という側面を忘れず、特に相手によっては主体性を強く出すと言うところでしょうか。そこはコミュニケーション力とも関係するかもしれません。

尚、コミュニケーション力も人によっては余り評判が良くありません。でも日本の学校教育にはあるいはかけている点かもしれません。ご子息にできるだけ意見を持つように求めているという話を思い出しました。

From: Mr./Ms."市橋 和行" (ichihashi@iima.or.jp)
Subject: RE: 原則として木曜日朝に更新します。
To: "'Naoyoshi KINUKAWA'" ,"'阿部彰彦'" ,"'遠藤玲子'" ,"'亀井純野'" ,"'吉田頼且'" ,"'原田裕'" ,'原田由紀夫' ,"'古屋力'" ,"'糠谷英輝'" ,"'荒木恵子'" ,"'坂本公紀'" ,"'志村紀子'" ,'松井謙一郎' ,"'西村陽造'" ,"'浅見唯弘'" ,"'田中和子'" ,"'北島啓治'"
Sent: Thu, 3 Feb 2005 10:17:28 +0900


> 絹川さん、
>
> 超多忙なのによくここまで手が回りますね。感服至極です。絹川さんにはまだ余力あ
> りと見た(!)、というのは冗談。一緒に仕事させて頂いて絹川さんが倒れないのが
> 通貨研七不思議のひとつと思っているくらいですから。「調査と営業」の内容には得
> 心する点が多々ありました。契約内容が思わぬ方向に変わっていってしますのは経験
> 中でもありますが、仕事を請ける側に、議論をリードしていく主体性と、先方の要望
> にあわせていく柔軟性がないと、振り回されっ放しということになりかねませんよ
> ね。最終的には、金は払ってくれそうだが、同時に変化していくであろう顧客の要望
> に、どれだけ主体性と柔軟性を持ちつつ対応していくか、が課題になるのでしょう。
> 対応力強化の手段として、以前絹川さんが仰っていた「コミュニケーション力」も磨い
> ていきたいものです。
>
> 市橋拝

Posted by: 市橋さん+絹川 | 02/03/2005 at 11:11

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